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診療科紹介


尿路結石Q&A

Q1.どのような病気ですか?

腎臓で作られた尿は、腎盂、尿管を通って、膀胱に貯められ、尿道から体外へ排出されます。この尿の流れる通路を尿路と呼び、その尿路に結石ができる病気が尿路結石症です。結石が存在する場所によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。結石が尿路をふさぐと激しい痛みがでます。細菌感染を合併すると高熱がでます。閉塞が長く続き、感染症を繰り返す時には腎臓の機能に障害をあたえます。結石ができる原因はいまだ十分に分かっていません。尿路結石症全体の80%以上は原因不明です。尿路結石の原因として(1)尿中のカルシウム、シュウ酸、尿酸などが過剰(2)結石を抑制する物質(マグネシウム、クエン酸)の減少(3)尿路感染、尿路奇形、尿の停滞など(4)動物性タンパク質の過剰摂取、水分摂取不足など があげられますが、多くの因子が複雑に関与していると考えられています。尿路結石の原因疾患としては、痛風、副甲状腺機能亢進症、尿路の奇形、ある種の薬剤(副腎ステロイドの長期連用など)があります。

Q2.尿路結石の症状は?

尿路結石の主な症状は強い痛みと血尿です。疼痛は結石が尿の流れを塞ぎ、腎臓の中の圧が上昇するため起こります。突然に疼痛発作といわれる激痛をおこします。わき腹から背中にかけて間欠的にまたは持続的に痛みます。時に下腹部に痛みが放散します。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。血尿をみることも多く、痛みの発作に伴って見られます。結石が膀胱の近くまで下降した場合は排尿痛、頻尿、残尿感などの膀胱刺激症状をおこします。細菌感染を合併すると、高熱を出し、尿が濁ります。また、膀胱結石が尿の出口を塞ぎ、尿道に結石が詰まった時には尿が出せなくなります。しかし、全く無症状の場合もあります。気がつかないうちに徐々に腎臓の機能が悪化することがあります。特に両側の尿管結石では腎臓からの尿の流れが詰まって、尿が全く出なくなり急速に腎機能障害が進行することがありますので尿量のチェックも重要です。

Q3.結石の診断は?

尿路結石の診断では、問診、尿検査、血液検査、画像診断などをおこないます。尿検査では血尿や尿路感染症の有無を調べます。血尿は肉眼でわかる場合もありますが、多くは顕微鏡で検査してわかる程度の血尿です。画像診断はX線検査、腹部超音波検査、コンピュータ断層撮影(CT)などで結石の部位、大きさ、腎臓の形や機能がわかります。多くの結石は腹部単純X線検査(KUB)で診断できますが、レントゲンに写りにくい結石の場合は経静脈性尿路造影、逆行性腎盂尿管造影やCT検査を行うことがあります。腹部超音波検査は最も体に負担のない検査法です。X線検査で診断できない小さな腎結石や尿酸結石などのレントゲンに写らない結石の診断に有用です。また尿の流れが滞るために生じる水腎症の有無もわかります。

Q4.治療法は?

治療法は大きく分けて保存療法と手術療法があります。保存療法は大きさが10mm未満の小さな結石が適応になります。自然に出る可能性が高いため、水分摂取と内服薬を処方します。結石の大きさが10mm以上の大きな結石で自然排石が困難な時や、腎臓機能に障害が出ている場合には手術療法の適応になります。第一選択治療法は体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が適応になります。衝撃波を体外から結石に対して照射し、結石を細かく砕き排出させる治療法です。結石は数日から数週間かけて尿とともに排出されます。ESWLで治療が困難な結石としては、尿管の粘膜内に強く癒着している嵌頓結石があげられます。ESWLでは破砕されにくく、一部が排石されずに残ってしまいます。このような結石に対しては内視鏡を併用して治療します。麻酔をかけて尿道から細い内視鏡を挿入してレーザーなどで砕き取り出します。経尿道的腎尿管結石砕石術(TUL)を併用することにより治療困難な嵌頓結石の治療が可能となります。麻酔が必要なため3~4日間の入院になります。サンゴ状結石などの大きな腎結石や硬くESWLで破砕するのが困難な結石では、経皮的腎尿管結石砕石術(PNL)の適応となります。腎臓に穴をあけ、内視鏡下にレーザーなどで砕き、排出します。
結石治療ガイドライン(日本泌尿器科学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本尿路結石症学会)

1.尿路結石症の初期の評価

病歴、身体所見、尿検査、単純X線撮影、腹部超音波断層法、腹部CT、末梢血液検査およびCRP、血液生化学検査(クレアチニン、尿酸、カルシウム、リン)。

2.疼痛に対する処置

尿路結石で疼痛を訴える患者さんに対しては、迅速に疼痛に対する処置を行う。非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の坐剤。無効の時は、ペンタゾシンの筋注など。

3.結石の性状および閉塞状態の評価

尿路結石症と診断された患者さんに対して、結石の性状と閉塞の状況を評価する。超音波断層法、排泄性尿路造影。その他必要があれば、X線CT、逆行性尿路造影、経皮的順行性尿路造影、腎シンチグラフィー、超音波カラードプラー法、MR尿路造影、など。

4.治療指針の推奨

  1. 尿路結石症患者さんの治療法の選択にあたっては、医師は各治療法の得失に関する情報を患者さんに提供し、さらに結石以外の病態や社会的要因なども考慮して、患者さんと相談のうえ、治療法を決定する。
  2. 繰り返す疝痛発作、尿路感染の合併、持続する上部尿路閉塞(水腎症の存在)で腎機能の低下が懸念される場合には、適切な結石除去の方法を選択しなければならない。
  3. 高齢者の無症候性(症状のない)結石に対する治療は、その得失を慎重に考慮することが望まれる。

5.尿管結石の積極的な治療法

10mm未満の結石は自然排石が期待できるため保存治療が選択肢の1つである。10mm以上の尿管結石や症状発現後1か月いないに排石が認められない場合には積極的に結石除去が必要です。

図 尿管結石の治療方針のアルゴリズム(結石治療ガイドライン2013年版より改変引用)

6.腎結石の積極的な治療法

開放手術は第1選択として適切ではない。一般に結石の大きさが10mm未満ではESWLが、10-20mm未満ではESWL、軟性鏡によるTUL,PNLが適応となる。20mmを超える結石ではPNLが優先される。

図 腎結石の治療方針のアルゴリズム(結石治療ガイドライン2013年版より改変引用)

7.サンゴ状結石の積極的治療

サンゴ状結石とは1つ以上の腎杯と腎盂とに連続する形態の結石です。サンゴ状結石を無治療で経過観察した場合、多くは腎機能低下や敗血症などを招くため、積極的に治療を行うことが望ましい。

図 サンゴ状結石の治療方針のアルゴリズム(結石治療ガイドライン2013年版より改変引用)

Q5.各種破砕治療装置(リソトリプター)の特徴

リソトリプターはその衝撃波の発生メカニズムから 3つの方式に大別されます。最初に電極を用いたスパークギャップ方式が開発されました。次に1986年に圧電変換ピエゾ方式、翌1987年に電磁変換方式が開発されました。電極放電式の利点は焦点のサイズが大きく衝撃波あたりの破砕効率がよい、比較的単純な技術が利用されている点があげられます。欠点は消耗電極が必要である点と衝撃波の圧力が均一でない、治療時の疼痛が強いことがあげられます。電磁変換方式の利点は低エネルギーから高エネルギーまで幅広いダイナミックレンジを誇り、衝撃波の圧力が一定である点、電極が不要で比較的長期にわたり使用可能な点があげられる。圧電式は痛みの少ない治療が可能である点、衝撃波圧力が一定、長時間使用でき、耐久性がよい点が特徴です。焦点面積が小さいので大きな結石に対しては不利になります。

当院の破砕装置 ドルニエ社製 リソトリプターDの特徴は?
新開発の電磁誘導方式(EMSE)衝撃波発生装置を採用し、衝撃波波形などの適切な調整により、強力な破砕力と痛みの少ない安全な治療を両立可能にした。またカップリング方式も脱気装置を用いて循環させる方式を採用して、内部の酸素含有量を最低限におさえているため、効率のよい安定した破砕効果が得られます。
ドルニエ リソトリプターD(Dornier Lithotripter D)の特徴(ドルニエ社パンフレットより)

Unique Dual Imaging

小さな結石も探し出し、迅速に正確に位置決めを行い、治療中にはリアルタイムで破砕状況を観察、治療を中断することなく焦点位置を微調整することができます。

Easy and Precise Localization

探査・位置決め用に可動式X線Cアームを採用、2軸交差により結石の位置決めを行います。衝撃波発生装置とX線Cアームは一体型。衝撃波の焦点とX線の焦点は完全に一点に固定され焦点ずれを起こさないため、安全で正確な破砕治療が行えます。

Advanced Shockwave Technology

ドルニエEMSE発生装置では、集束された衝撃波が弾力性のあるウォータークッションを通して患者さんの体内に導かれます。破砕効率低下の原因とされていた水中のガス成分を脱気装置により低減させているため、安定した破砕効果が得られます。

Q6.尿路結石再発予防について

尿路結石は大変再発の多い疾患です。日常生活上での再発予防には水分摂取、バランスのよい食事に気をつける必要があります。水分の補給は尿量を増やし、尿中のミネラルの濃度を低くするために最も重要です。1日2リットル程度の尿量を保つようにしましょう。
結石の多くを占めるカルシウム結石の形成には尿中のシュウ酸濃度が問題になります。カルシウムは腸管中でシュウ酸と結合し腸でのシュウ酸吸収を抑制し、尿中のシュウ酸濃度を下げ結石を防ぎます。このためカルシウムを十分摂取するのが予防上大切です。このほか脂肪、糖分、塩分の取りすぎにも注意しましょう。高尿酸血症の方や尿酸結石では尿酸のもとになるプリン体の摂取を制限する必要があります。バランス良く規則正しい食事を心がけたいものです。
結石治療ガイドライン(日本泌尿器科学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本尿路結石症学会)

1.再発に対する診断

1.基本的な項目結石成分の分析、問診(家族歴、既往歴、現病歴、投与中の薬剤)
2.血液、尿検査a. 血液生化学検査
  • 血清クレアチニン、カルシウム、尿酸、できれば(血清アルブミン、カリウム、リン、PTH)
b.一般尿検査
  • 試験紙による定性反応(蛋白、糖、pH)、尿沈渣、シスチン定性反応、尿細菌培養
c. 24時間尿化学検査
  • クレアチニン、カルシウム、尿酸、尿量、蓚酸、クエン酸、できれば(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン、アミノ酸)

2.再発に対する指導と薬物療法

1. 基本的な項目飲水指導(食事以外に1日2000ml以上)、できれば食事指導(バランスのとれた食事が基本、栄養素摂取量の指導、食生活の指導)
2. 通院計画と経過観察法【定期的な通院】
1. 腎結石がない場合
  • 6カ月から1年毎の通院と尿検査
  • 1年毎の超音波検査、X線検査(KUB)
2. 腎結石を有する場合
  • 3カ月から6カ月毎の通院と尿検査
  • 6カ月毎の超音波検査、X線検査(KUB)
3. 尿路結石の種類に応じた指導と薬物療法a. 尿酸結石
  • 飲水指導(1日尿量2000ml以上を維持)と食事指導
  • 患者さんの状況に応じた適切な薬剤投与(尿pH6.0未満、高尿酸血症、高尿酸尿)
b. シスチン結石
  • 飲水指導(1日尿量2500ml以上を維持)と食事指導患者さんの状況に応じた適切な薬剤投与(尿アルカリ化剤の投与、チオプロニンの投与、小児では飲水指導が中心だが可能なら内服も)
c. 感染結石(リン酸マグネシウムアンモニウム、カーボネートアパタイト)
  • 飲水指導(1日尿量2000ml以上を維持)
  • 尿路感染の原因精査、適切な薬剤の選択と投与
    1. 尿細菌培養による原因菌の同定
    2. 感受性の高い抗生剤、抗菌剤の内服
d. 蓚酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石
  • 飲水指導(1日尿量2000ml以上を維持)
  • 患者さんの状況に応じた適切な食事指導と薬剤投与(高カルシウム尿、高尿酸尿、高蓚酸尿、低クエン酸尿)